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5/28 『メメント』 [映画]

 映画『メメント』を観た。記憶が10分しか持たない人の話。前向性健忘症。またはコルサコフ症候群―。本当にある症状で、10分どころか、数十秒で忘れる人もいるようだ。主人公は、妻が暴漢に襲われるまでは覚えているが、それ以降は、「記憶」できなくなってしまっている。

 逆回転ムービーとか言われる手法で、結末からスタートする。主人公はすでに暴漢に「復讐」を終えているのだが、そのことを忘れてしまっている。その彼の「健忘症」を利用して、麻薬関係者を始末させようとする男がでてきたり、同じく麻薬がらみでトラブっている女が、これまた彼を利用しようとしたりして、複雑だ。

 さらに、主人公はサミーという架空の人物を心に作りあげて、その妻まで出てくる……。というような「多重人格」的エピソードも加わり、かなり難しい。

 主人公は忘れないように、大事なことはポラロイドカメラに撮ったり、体に「刺青」として刻んだりしている。それってかなり「アナログ」だ。それがこの話を面白くしているのだが……。メモとか写真とかって「断片的」なものだ。もし、「記憶」を「連続」させたいんなら、ビデオカメラに撮れば良い。

 主人公は実は「忘れる」ことに、何か「根本的なもの」を感じていたのかも。暴漢に復讐することが、主人公の「生きる目的」だった。それを達成してしまったら、もう生きている意味がなくなってしまう。だから、達成したことは忘れなければならない。実は復讐は終わっているけど、自分の生のために、それは忘れなければならない。事実、主人公は最後の場面で、自分が復讐したときに撮った写真を意図的に燃やしてるし……。

 人間は「目的」がないと、生きていけないのかも。目標を達成したら、また次の新しい目標を立てる。「仕事が生きる目的」だった人が、リタイアしたとたん、認知症になったりすることもある。目標に向かっているときは、苦しいし辛い。『メメント』の主人公もそうだ。でも、そのときこそ実は「生」を満喫しているのかもしれない。

今日の勉強の記録

  1. 『大人の世界遺産ドリル』
  2. 『西田幾多郎の思想』
  3. 『TOEIC必修単語』
  4. 『英字新聞が読める!聞ける!』

今日の気になる文章

直観というのは、主客の未だ分かれない、知るものと知られるものと1つである、現実そのままな、不断進行な意識である。…自覚においては、自己が自己の作用を対象として、之を反省するとともに、かく反省するということが直ちに自己発展の作用である、かくして無限に進むのである。」(西田幾多郎『自覚に於ける直観と反省』)


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