3/31② Japanity [思うこと]
「セレンディピティ」(幸福な偶然の発見)の反対語に「Japanity(ジャパニティ)」というものがあるらしい。意味は、簡単に言うと「誰でもやっていることを追いかけて、独創性のないこと」。読んで字のごとく、Japanese(日本人)の性質を皮肉って作られた言葉だ。
ホントに日本人は独創性がない、と思われているのだろうか。まぁそんなことはないだろう。いつできた言葉か知らないけれど、今この言葉が公で使われたら、日本人は当然怒っていいと思う。
科学上での重要な「発見」や「功績」は、しばしば「偶然」なされることが多い。ペニシリンの発見しかり。ノーベル化学賞受賞者・田中耕一さんの発見しかり。だけど、それはただ単に「運が良かった」わけではない。「セレンディピティ」は「直感による創造」に類する。「直感」は地道な努力の積み重ねや経験の豊富さが「知覚の網」を密にされてこそはじめて成される、と僕は思っている。
最も影響力の大きい科学論文(04~05年度)の世界ランキング1位と2位は日本人が占めている。当然、誰でもやっていることを追いかけて、この偉業が達成できるわけはなく、「Japanity」はむしろ「世界に大きな影響を与えるほどの事柄をなすこと」とかにしてほしい。
コメント 0